20120621_ラスボラ・エスペイ繁殖レポート

(Twitterでは何度かつぶやきましたが)
ラスボラ・エスペイ(Trigonostigma espei)の繁殖に成功しました!!

といっても狙って稚魚をとれたとは言い難く、
今のところ生存している稚魚は1匹のみ。

まぁとりあえず、経緯は下記の通り。

・2012/4/22
知人よりラスボラ・エスペイ9匹を譲り受け、飼育開始する。
飼育開始時の9個体は未だやや小さめで、若魚だったと思われる。

飼育水槽の写真は以下。(※飼育開始時でなく、稚魚の育成が進んだ6/21日現在のもの)

水槽:30*30*40(H)
水質:つど測定したわけではないが、飼育開始直後はほぼ中性(pH7.0前後)。
  その後、やや弱酸性~中性付近を維持していたと思われる。
  水道水を中和した後、テトラ・バイタル、テトラ・アクアセイフを適量添加。
水温:25℃
底砂:田砂
同居魚:コリドラス・ステルバイ2匹、タイガープレコ3匹、ミニブッシープレコ2匹
水草:マツモ、アヌビアス・ナナ(流木に活着)、アマゾン・フロッグピット
濾過:外がけ式フィルター(濾材:付属のフィルターカートリッジ)
餌:ひかりクレスト カラシンをメインに、
  時々ひかりクレスト ミニキャット(コリドラス、プレコ用)、冷凍赤虫。

本来、これとは別の水槽をラスボラ用の水草水槽として準備しており(後述)、
この水槽はその立ち上げまでの仮飼育用、のつもりだった。



・飼育開始から約1ヶ月経過した5/28、
水槽を眺めていたところ、お腹がややふくらみ、抱卵したような体形の個体を発見。
また同時に、それとは別の2個体が体側をすり合わせる行動をとっていた。
そのうち1匹はオレンジ色が鮮やかに出たやや小ぶりの個体で、
この行動はオス同士の威嚇行動、あるいはメスへの求愛行動か?と推測した。

下記が、今回産卵したと思われる個体(産卵前の5/28時点でなく、6/21時点で撮影したもの)。
他の個体と比較しないと判りづらいが、腹部がややふっくらしており、
下腹部にうっすらと卵があるような感じがある(主観だが)。
5/28に抱卵を疑った際も、ほぼ同じような見た目だった。

DSC_0331.jpg

ちょうど、本来ラスボラ水槽用として準備していた水槽があり、
前日に水草を植え込んだばかりだったため、急遽この水槽を産卵用水槽として転用してみる。
前述した、抱卵していると思われた個体はメス、
それと比較して鮮やかにオレンジ色が出ている個体をオスと仮定し、
メス1匹オス2匹の、計3匹を別水槽へ移動。
(前述した、体側をこすりあわせていた個体を使いたかったが、捕獲時に個体識別できなくなり、
「それらしい」個体を選別した)。

産卵用水槽の写真は下記。
(※これも飼育開始時でなく、稚魚の育成が進んだ6/21日現在のもの)

水槽:30*30*40(H)
水質:ソイルを使用したため、飼育開始直後より弱酸性(pH6.5程度)を維持。
  水道水を中和した後、テトラ・バイタル、テトラ・アクアセイフを適量添加。
水温:25℃
底砂:ソイル(たしか、「熱帯魚安心サンド」だった気がする)
同居魚:ミニブッシープレコ1匹、ミナミヌマエビ10匹程度(途中から)
水草:クリプトコリネ各種(ウェンティブラウン、パルパ、ルーケンス、ペッチィ)、ヘアーグラス、マツモ
濾過:外がけ式フィルター(濾材:付属のフィルターカートリッジ)

DSC_0332.jpg

この環境で、親魚として選別した3匹をしばらく飼育した。
1週間ほどそのままにしていたが、
3匹では群れることが出来ないためか、あまり落ち着かないそぶりだったこと、
またメス親と仮定した個体の腹部がやや凹んだように見えたことから、
産卵は確認できなかったが、3匹をいったん仲間の待つ元々の飼育水槽へ戻すことにする。

・6/9
時々水槽内を見る限りでは稚魚が生まれた様子は確認できず、
植えたばかりのクリプトが溶けてきた&コケが目立ってきたことから、
当初予定通り水草水槽として維持管理すべく、元々飼育していたミニブッシープレコを導入。
さらに、ミナミヌマエビ10匹を購入し飼育開始する。

が、その直後(入れたばかりのエビの様子を見るため水槽を眺めていたところ)、
稚エビではない、明らかに魚の稚魚が1匹だけ泳いでいるのを発見!!
思わず「うぉぉぉ!!」と絶叫、小躍りを踊る。そしてTwitterでつぶやく。

エビ、プレコとの同居が気になったものの、既に水槽のあちこちに分散してしまい回収できず。
ほかに稚魚がいないか探したもののこの1匹しか確認できず、基本的には「ダメ元」の感覚で、
このまま経過観察することに。

見つけた当初、稚魚のサイズは非常に小さく(少なくとも、エンゼルフィッシュの稚魚よりは一回り小さい)、
ブラインシュリンプが食べられるかどうかは微妙と思われた。
また、発見した稚魚が1匹ということもあり、活ブラインを適量与えることは困難と判断、
水槽内の微生物を食べて生き延びてくれることを期待しつつも、半ば諦めていたというのが本音である。
一応、ウィローモスを一塊、投入。
また、市販の「殻剥きブラインシュリンプ」を少量与えてみる。

・6/12
仕事がらみで数日、家を空けてしまったのだが、
帰宅後にチェックしたところ稚魚が生存していることを確認。
体長でいうと一回り大きくなった印象だが、痩せたようにも見える。
しかし、何かしらを食べて生き延びているものと思われた。
前述の殻剥きブラインは食べているのか不明、ほかに与えるものも思いつかず、
たまたま他の水槽のフィルター洗浄後の汚水を、何かしら餌となる微生物がいることに期待し少量与えてみる。

・6/19
稚魚は相変わらず生存。見た目にも、発見時より明らかに成長したことが分かる。
やや体高もでてきて、少しがっしりした印象。
また、体側に黒い模様が現れ、改めてこの稚魚がエスペイの稚魚であることを確信した。

・6/21
さらに少し成長している。
カメラのファインダー越しにもはっきり認識できるサイズとなったため、
写真撮影を試みる。
当初は飼育水槽のままで撮影を試みたが、ピント合わせに苦慮したため、
産卵箱(サテライトS)に移しての撮影を試みる。
潰さないかと恐る恐る網で掬うが、特に問題なく移動に成功。
以下、その写真である。

DSC_0333.jpg
「殻剥きブライン」を与えたところ、腹部がオレンジ色に染まっており、
きちんと摂餌できていることがうかがわれる。


DSC_0334.jpg
体側中央に黒い模様が見てとれる。



ここまでくれば一応、「繁殖成功」と言ってもおかしくないかなと思い、
写真撮影に成功したのを機にレポート書いてみた。
しかしまだまだ小さいので、引き続き注意して飼育していきたいと思っている。


本種はほとんどどこの熱帯魚店でも売られているくらい、ポピュラーかつ人気のある魚種だが、
一般に、繁殖難易度は飼育難易度に比べて格段に難しいといわれてきた。
今回はたまたま抱卵を発見し、たまたま稚魚を発見するというラッキーとしか言えない状況であり、
抱卵・繁殖に至った要因が自分でも思い当たらないのが、少々残念である。

またそれと同時に、本種のような安価なポピュラー種でも、
繁殖となると一種独特の緊張感、達成感がある。
本種を飼育したことのある人は日本中、あまたいらっしゃるだろうが、
「自分の手で殖やした」個体を飼育している方が、いったい何人いることだろう。
そう思うと、この貴重な機会に恵まれたことに、身が震えるほどの喜びを覚える。


最後に、恐らくもっともポピュラーな熱帯魚の1種であるネオンテトラ、
本種の人工繁殖に世界で初めて成功したのは、日本人・牧野信司氏であるといわれている(1953年)。
古い飼育本によると、それまではこの絶世の美魚は1匹1万円(当時の物価で、である!!)もしたということ。
現在では1匹50円~100円程度で販売されており、100匹200匹の群泳も珍しいものではなく、隔世の感がある。

これは間違いなく喜ぶべきこと。
しかし、それと同時に、「普通種」「初心者向け」と言われる魚種に対する意識が軽く、
扱いも少なからずぞんざいになっていることは、否めないのではないか。
昔の人の、「魚を飼うこと」への情熱には、まったく頭が下がる。
私自身も、「魚を飼うこと」とは何か、
「1匹1匹を大切にする」という感覚を再度認識されられたような、そんな繁殖体験だった。
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テーマ : 熱帯魚
ジャンル : ペット

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熱帯魚(特に底モノ)をこよなく愛してます。
写真(デジイチ)は目下、修行中。

魚についての話、写真の感想など、色々コメントいただけると大変嬉しいです。

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