外来生物法 特定外来生物の新規指定について、パブリック・コメントを送ってみる。

以前にこのブログでも話題にした、「ガー・パイク、特定外来生物に指定??」の件。
(前記事はこちら

3月15日の環境省の特定外来生物等専門家会合で、正式に
「特定外来生物に指定することが適当」とされた。
※ガー・パイクに関しては約2年の準備期間が設けられ、平成30年2月~の指定が濃厚。

そしていま、4月22日までの期限で一般市民からのパブリック・コメントを募集している。


本件に関しては本当にいろいろな思いがあって、
それはツイッターやブログでただ書き散らせばいいという類のものでもないような気がして、
基本的に面倒くさがりなのだけれど、珍しくやる気を出してパブリック・コメントなぞを書いてみた。


パブリック・コメントの投稿方法については、
「(お知らせ)「特定外来生物の新規指定(案)」に対する意見の募集(パブリックコメント)について」
をご参照。

要は、意見を述べたい種のそれぞれについて、
「100字以内で意見の要約」を、
その下に「意見および理由」を書いてください、ということらしい。


以下、自分なりに思う意見を、あえて環境省に送った文書のまま、
記してみる。(自分がパブコメを出すのは、「ガー・パイク」と「ナイルパーチ」の2つ。)

ポイントとしては、
①ガー・パイクについて
・観賞魚の場合、「飼育禁止」よりも「放流禁止」に重きをおくべきではないか。
・その抑止力として、アジアアロワナ等と同じようにマイクロチップで管理してはどうか。

②ナイルパーチについて
・熱帯産の魚を日本国内で画一的に規制するのは現実的ではない。
・これまでの環境省方針とも食い違っており、十分な説明を求める。

というところ。
これ、きちんとさせておかないと、なし崩し的に
「観賞用として流通する熱帯魚は、沖縄で帰化しちゃう可能性があるから
 ぜーんぶ飼育禁止ね。」
っていう方向に話が進みかねないな、と、最悪のパターンを、ちょっと危惧している。


自分が書いた文章が別に正解ではないけれど、
「パブコメなんてよく判らない」「真面目な文章って苦手だよ」っていう人に、
1つの参考として見てもらえれば嬉しいです。

SNS上で議論するのもいいけれど、それだけじゃ変えられないこともあって、
これからも「自分が好きな生物を、飼育・観察して楽しむ」ということが
あたりまえに楽しめる世の中であって欲しいので、
多少めんどくさいけれど、きちんと意思表示をして、
きちんと自分達の趣味の世界を守っていくべきなんだろうな、と思います。


「パブコメ、なに書いたらいいか判らないよ」って人は、もし共感されるなら、
コピペして使いまわしてくれても構わないです。

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①ガー科魚類について
1. 対象生物種:ガー科(Lepisosteidae spp.)
2.意見の要約(100字以内で記載)
本科魚類は観賞魚として広く普及しており、飼育・販売禁止に伴う遺棄放流の増加が懸念されることから、
遺棄放流・廉価販売の抑止のためマイクロチップにより個体管理した上で飼育・販売を継続する施策が妥当である。
(100字)

3.意見及び理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記してください。)
今回、観賞魚として広く流通している本科魚類が特定外来生物の指定候補となったことに対し、
観賞魚業界に携わる者として大きな危機感を感じている。

これまでに特定外来生物に指定された多くの魚種は水産上有用種、
あるいは釣魚の対象種が多く含まれていたが、それら魚種と異なり観賞魚の場合は
本来、終生飼育を前提に屋内で適切に飼育されてさえいれば、野外への逸出はほぼ有り得ない。
従い、観賞魚として流通する魚種に対しては「輸入しない・飼育しない」ではなく
「遺棄放流しない・終生飼育する」に重きを置き施策することが重要である。

そのために、ワシントン条約規制対象魚種(アジアアロワナ、オーストラリア肺魚)、
動物愛護法対象種(ワニ、カメ等の水棲爬虫類)と同様にマイクロチップ埋込みにより
個体識別を行い飼育個体・飼育者を管理することが遺棄放流の抑止策として効果的と考える。


また本科魚種の選定理由として「観賞魚として、幼魚が安価に流通している種がある」
という社会的要因が挙げられている。
実際に野外で逸出個体が発見されるガー科魚類は、安価に流通している種
(アリゲーター・ガー、スポッテッド・ガー等)にほぼ限定されている。
マイクロチップ埋込み・管理施策にかかる費用を生体価格に転嫁することで、
販売者による生体の廉価販売の抑止(業界の自浄作用の促進)、
飼育者による衝動買い・遺棄放流の抑止(飼育者の意識向上)に効果的であり、
さらには外来生物対策の財源確保にも繋がると考える。
(参考:マイクロチップによる動物の個体識別の概要/環境省、2005)

同科魚類は長寿命でもあり、ロングノーズ・ガーで36年(須磨海浜水族園)、
アリゲーター・ガーで40年(京急油壺マリンパーク)等の飼育記録がある。
終生飼育する間に飼育者の転居、死亡等の理由で飼育者や飼育場所が変わることも想定され、
マイクロチップ埋込みにより個体管理を義務付けることで飼育者の変更・相続・譲渡も
容易に可能になると考える。
また野外逸出個体についても、捕獲後にマイクロチップ埋込みを実施することで
捕獲個体の再飼育が可能となれば、野生下からの逸出個体駆除、原産地での
野生個体群の維持にも寄与しうる。


日本は世界的にも相応のマーケットを有する、観賞魚の輸入大国である(出典:財務省貿易統計)。
ガー科魚類に関しても人工飼育下での繁殖技術の研究が、民間企業や個人を中心に古くから進められてきた
(出典:TROPICAL FISH HOBBYIST August 2002 T.F.H.)。
これは同科魚類の分類や生態の解明、繁殖形態の解明という点で、商業面だけでなく学術的側面、
種の保存の観点からも意義深い取り組みである。

流通・販売面でのモラル、飼育者のモラルという点で改善すべき点は多々あるが、
外来観賞魚の取り扱いに関しては環境教育への理解の深化、自然科学・種の保存への貢献という観点で、
一概に飼育・流通禁止ではなく、適切な施策を検討する必要がある。
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②ナイルパーチについて
1. ナイルパーチ(Lates niloticus)
2.意見の要約(100字以内で記載)
熱帯・亜熱帯原産の本種は国内の多くの地域で定着困難であり、国内での定着も未報告である。
今後の指定方針にも関係するため、指定妥当性について再検討を要望する。
南西諸島等に限定しての指定で良いのではないか。
(99字)


3.意見及び理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記してください。)
本種は西アフリカ熱帯域・亜熱帯域を原産とし、低水温下では死滅するとされている
(出典:U.S. Fish and Wildlife Service )。
そのため、日本国内においては南西諸島・小笠原諸島を除き定着は困難と考えられる。

これまでに特定外来生物に指定された魚類は、主に冷帯~温帯域に生息し日本国内にも
広く帰化しうる種に限定されている。
環境省の第4回特定外来生物等分類群専門家グループ会合(魚類)においても、
定着の可能性が局所的な魚種については慎重な議論がなされており、
今回、熱帯・亜熱帯産かつ未だ国内での定着が確認されていない本種の新規指定が検討されていることは、
今後の指定方針の大きな転換点と考えられるため、指定の妥当性を慎重に検討するよう要望する。


本種は観賞魚としても一定数が流通しているが、観賞魚の場合は本来、終生飼育を前提に
屋内で適切に飼育されてさえいれば野外への逸出はほぼ有り得ない。
従い、観賞魚として流通する魚種に対しては「輸入しない・飼育しない」ではなく
「遺棄放流しない・終生飼育する」に重きを置き施策することが重要である。
ワシントン条約規制対象魚種(アジアアロワナ、オーストラリア肺魚)、動物愛護法対象種(ワニ、カメ等の水棲爬虫類)
と同様にマイクロチップ埋込みにより個体識別を行い飼育個体・飼育者を管理することが
遺棄放流の抑止策として効果的と考える。


愛玩・観賞用として飼養された個体の遺棄放流については、業界の自浄作用、愛好家の意識向上が
強く期待される問題であり、観賞魚業界に携わる者として強く責任を感じるところである。
一方で本法の効果的な施行という意味で、観賞魚の販売者・流通者・飼育者それぞれの
意識向上に繋がる施策をお願いしたい。
マイクロチップ埋込みによる飼育個体・飼育者の管理は、本種のような大型魚では特に有効な施策と考える。
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熱帯魚(特に底モノ)をこよなく愛してます。
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